悪夢の街


星も見えない夜 だから月も消えた
代わりにと言わんばかりに踊るネオン

 

赤と青がずっと続く交差点で
出会いと別れが品定めしては小競り合い

 

一期一会の熨斗を巻いた欲望 

純粋な顔をして目論んだ物語
   
始めから夜を待っていた 淡い期待
見透かされてか 笑っていた 若い女

 


鏡が映す顔 決して悪くはない
理想と自信が戯れて 元通り離れてく

 

この声は届くのに 触れないものばかり

 

夜明けまで愛を待っていた 鍵は掛けず
気のない相槌を打っていた 知らない女

 


盲亀浮木と詠んで 今日は眠るよ 

 

気が付けば朝を待っていた 闇に紛れ
衝動の波は去っていた ネオンは消えた

朝焼けが僕を待っていた 何も言わず
それを浴び暫し立っていた カラスが鳴く

 

声に出来ぬ想いは酒のせいか いや もう素面だ

 

見覚えのある影 街の中に消えた

悲しいかないずれ繰り返す 後悔が待つ夜を